山が色づくのは、平野より少し早い。名古屋の街路樹がまだ緑のうちに、豊田の奥はもう赤くなっています。
このまとめは、よその有名な紅葉狩りではなく、日進・長久手・みよし・東郷・豊田の5街で見られる秋の色だけを集めました。正直に書くと、いわゆる「紅葉の名所」があるのは豊田だけです。香嵐渓の約3,000本のもみじ、小原で紅葉と一緒に咲く四季桜、渓谷に岩がごろごろした王滝——このあたりは全国区の顔ぶれで、ほかの4街はどうやっても並べません。
ただ、名所がないことと、秋が楽しめないことは違います。長久手にはお抹茶をいただける日本庭園があり、みよしには市が景観百選に選んだ坂道があり、東郷には一周7.4キロの池がある。遠出をしない日の秋も、ちゃんとあります。
各スポットの日程・料金は、市町や観光協会、施設の公式情報で確認してまとめました(情報は2026年10月24日時点。日程や料金は変わることがあるので、お出かけ前に各公式での最終確認を)。
ひと目でわかる|2026年 5街の紅葉と秋の色
- 豊田・稲武/大井平公園 11月7日(土)〜23日(月・祝)・ライトアップは日没〜19:00。5街でいちばん早く色づく
- 豊田・足助/香嵐渓 11月1日(日)〜30日(月)・ライトアップは毎日、日没〜21:00
- 豊田・松平/王滝渓谷 期間の設定なし・駐車場無料
- 豊田/鞍ケ池公園 期間の設定なし・駐車場826台
- 豊田・小原/四季桜 11月21日(土)〜12月6日(日)・紅葉と桜が同時に見られる
- 豊田・藤岡/ふじおか紅葉まつり 11月21日(土)・22日(日)・ライトアップ16:30〜20:30
- 長久手/モリコロパーク 公園全体で例年11月半ば〜12月上旬(公式ブログ)
- 日進・みよし・東郷 公式の紅葉名所はなし。歩いて秋を探すエリア
以下、豊田から順に。最後に「香嵐渓の渋滞をどう避けるか」だけ独立してまとめました。ここが毎年いちばん困るところなので、豊田に行く予定のある方はそこから読んでも構いません。
豊田市|5街の紅葉は、ここが主役
香嵐渓(足助町)|11月1日(日)〜30日(月)
寛永11年、香積寺の11世・三栄和尚がもみじを植え始めたのが最初と伝わります。いまは約3,000本。豊田市とツーリズムとよたの公式はこの数字ですが、足助観光協会のライトアップのページだけは「四千本」と書いていて、じつは数字が割れています。どちらにしても渓谷いっぱいのもみじで、色づく時期が木によってずれるぶん、全体が同じ赤に染まるというより、黄色から濃い赤までが層になって重なります。
2026年は第71回。11月のあいだは毎日ライトアップがあり、日が落ちてからの巴川沿いは昼とまったく別の場所になります。
香嵐渓ひとつを深く読みたい方は、豊田の紅葉スポット4選で香嵐渓・小原・王滝渓谷・鞍ケ池をもう少し詳しく書いています。
小原の四季桜(小原地区)|11月21日(土)〜12月6日(日)
四季桜は、春と秋の年2回咲く桜です。秋の開花が紅葉と重なるので、一つの斜面で薄いピンクと赤が同時に見られるという、ほかではあまりない景色になります。小原の地区内におよそ10,000本。中心になるのは、山の斜面いちめんが会場になる川見四季桜の里です。
ふじおか紅葉まつり2026(藤岡地区)|11月21日(土)・22日(日)
愛知県緑化センターを会場にした、二日間だけのおまつりです。紅葉のライトアップに「ふじ色小径」という名前が付いていて、開始と終了の時刻がはっきり決まっているのが、このまとめのなかでは珍しい。マーケットが20時半まで開いているので、灯りを見ながら何か食べて帰れます。無料の駐車場が約700台あるのも、香嵐渓のあとだと驚くところです。
王滝渓谷(松平町・王滝町)|期間の決まりなし
「東海の昇仙峡」と呼ばれる渓谷。巨岩のあいだを水が落ちていく地形そのものが見どころで、そこに紅葉がかぶさります。まつりの開催期間という区切りがないぶん、土日でも香嵐渓ほどは混みません。全長90mの王滝湖かけ橋と、2本の吊り橋があります。
鞍ケ池公園(矢並町)|期間の決まりなし
動物園、植物園、ボート、そして芝生。紅葉を目当てに行く場所というより、子どもを遊ばせているあいだに周りが色づいている、という感じの公園です。ただここは駐車場が826台あって無料という一点で価値があります。香嵐渓が渋滞している日の、逃げ場になる。
大井平公園(稲武町)|5街でいちばん早い紅葉
豊田の北のはし、稲武。標高が高いぶん、香嵐渓よりひと足早く色づきます。約520本のカエデとイチョウ。10月のうちに紅葉を見たい年は、まずここです。名倉川沿いの遊歩道と、少し離れたタカドヤ湿地も同じまつりの会場になります。
香嵐渓の渋滞を、どうやって避けるか
ここだけは、公式が書いていることをそのまま書きます。足助観光協会のアクセスページにこうあります。
※11月の土日祝日は渋滞により所要時間が2時間を越える場合がありますので、平日にお越しください!!
観光協会が自分のところの一番の稼ぎどきに「平日に来てくれ」と書くのは、それだけ土日が厳しいということです。3連休には「バスの本数が大幅に減ります」として日程変更を勧める告知まで出ています。
そのうえで、実際に土日に行くならこのあたりを押さえておくと違います。
- バスは終点まで行かない日がある。11月14日以降の土日祝は、おいでんバス(浄水⇒香嵐渓)が153号線を直進して香嵐渓手前の「足助大橋」止まりになります。そこから香嵐渓までは徒歩10分ほど。最初からそのつもりでいると気が楽です
- 出発前に混雑状況を見る。駐車場を運営する三州足助公社の公式サイトで、リアルタイムの混み具合が確認できます
- 臨時駐車場を当てにする。混雑状況に応じて岩神之湯跡(400台)・香嵐渓多目的広場(100台)が開きます。特別駐車場は足助小・足助中・足助グラウンドが11/14・15・21・22・23・28・29、足助高校はこれに11/27を加えた日。こちらは台数が公式に記載されていません
- 帰りのバスの最終を先に調べる。11月のダイヤは通常と別物で、繁忙期は最終が15時台・18時台まで早まった年があります。ライトアップを最後まで見ると帰れない、が起こります
- ETCがない車は東名「豊田IC」から。東海環状自動車道は2026年4月9日に全料金所がETC専用になりました。2025年4月の時点では豊田松平IC・豊田勘八IC・せと赤津ICなど一部だけでしたが、いまは全線です
長久手市|庭園と古戦場で、静かに色を見る
長久手市には「紅葉の名所」として市が案内しているスポットはありません。それでも秋に歩いて楽しい場所はあって、どれもリニモの駅から近いのが強みです。
愛・地球博記念公園(モリコロパーク)の日本庭園
公園の一角にある日本庭園と、茶室「香流亭」。公園の公式ブログに「例年、モリコロパークでは11月半ば〜12月上旬にかけて紅葉をお楽しみいただけます」という一文があります。ただしこれは公園全体についての記述で、しかも2020年の記事です。日本庭園に限った見頃ではないので、そこは差し引いて読んでください。2026年の紅葉案内はまだ出ていません。立礼席でお抹茶とお菓子をいただけるので、歩き回るというより、座って眺める種類の秋です。
色金山歴史公園
秀吉と家康が戦った長久手の戦いで、家康が軍議を開いたと伝わる山。公園の紹介文にあるのは「木立を抜ける静かな散歩道」「馬泉水広場では木漏れ日と清水の調和」で、紅葉の見頃も樹種も公式には書かれていません。それでも山ひとつが公園になっているので、秋に歩くと相応に色があります。茶室でお茶も飲めます。
古戦場公園と、長久手古戦場記念館の秋季企画展
2026年4月22日(水)に開館した記念館で、9月19日(土)から11月29日(日)まで秋季企画展「森兄弟-戦国を生きた家族-」が開かれています。紅葉の時期とまるごと重なるので、展示を見てから隣の古戦場公園を歩く、という組み立てができます。ただし公園の紅葉について公式の記述はないので、色づきは期待しすぎないほうがいいかもしれません。
日進市・みよし市・東郷町|名所はないけれど、秋は歩ける
この3つの街には、公式に紅葉スポットとして案内されている場所がありません。愛知県の観光公式サイトの紅葉特集にも、3つとも1件も載っていない。書きようによっては水増しできますが、行ってがっかりする記事にはしたくないので、正直に書きます。
そのうえで、秋に歩くならこのあたり、という話をします。
日進市|五色園と、岩崎城の菊花大会
五色園という名前は、松・竹・梅・桜・紅葉の5種類の樹木にちなんでつけられたものです。ただし市の紹介文にあるのは「四季折々の自然が楽しめます」までで、紅葉の名所として案内されているわけではありません。園名に紅葉が入っている園を秋に歩く、くらいの気持ちで。入園も駐車場も無料です。
むしろ日進の秋は、菊のほうが確実です。第40回日進市菊花大会が2026年10月31日(土)から11月15日(日)まで、岩崎城で開かれます(入場無料・申し込み不要)。菊の秋というのも、紅葉とはまた別の趣があります。
みよし市|アートの小径
みよし市が選んだ「みよしの景観百選」に、「アートの小径」という名前で載っている道があります。三好丘緑地の南側、駅へ向かって下っていく歩行者専用の坂道です。推薦理由にはこう書かれています——「この道は、早朝から散歩、ジョギングをする方がとても多く、緑も豊かで静かな気持ち良い道です。」
観光地ではありません。名前のついた紅葉スポットでもない。住宅地のなかの、木が両側に続く道です。ただ駅のすぐ東側で、1時間で完結する秋の散歩としてはちょうどいい距離にあります。
なお三好公園は、第20回アジア競技大会にともなって、陸上競技場(トラック・フィールド)と体育センターが8月3日から11月18日まで終日利用制限中です。池のまわりを歩くぶんには問題ありませんが、施設を使う予定があるなら先に確認を。
東郷町|愛知池を一周する
東郷町も、紅葉の名所はありません。町の木はモッコク。東郷町の公式は「小喬木」と紹介していて、紅葉を見せる木ではありません。それでも秋に体を動かしたいなら愛知池です。正式名称は東郷調整池。管理用道路の周回路が一周およそ7.4キロあって、ランニングやウォーキングの人がよく走っています。
行く前にチェックしたいこと
- 見頃はその年の気温で動きます。このまとめに書いた時期は、公式が「例年」として出している範囲です。出発の数日前に、各観光協会の最新情報を見てください
- 山は寒い。稲武と足助は、名古屋や日進とは体感が違います。ライトアップまで残るなら、思っているより一枚多く
- バスは当てにしすぎない。八草駅から香嵐渓への直行バスは、2026年は運行がありません。小原のシャトルバスも2026年の運行情報が出ていません。車で行くか、名鉄「豊田市」駅からの路線バスを前提に組み立ててください
- 去年の情報が残っているページがあります。観光サイトのなかには2025年の内容が更新されずに残っている頁もあるので、日付を見るときは「何年のページか」を先に確かめると安全です
なお、ここで触れた香嵐渓・稲武・小原・藤岡のライトアップは、5街の冬の光まとめでもイルミネーションと並べて整理しています。11月の夜の予定を立てるなら、あわせてどうぞ。
最後に
香嵐渓は、行く価値のある場所です。ただ、11月の土日にあの渋滞を抜けてまで行くかどうかは、その年の体力しだいでもある。
平日に半日空いたら足助へ。土日しか動けないなら、鞍ケ池の芝生か、モリコロパークの庭か、三好丘の坂道か、愛知池の一周か。5街のどこにいても、車を長く走らせずに秋は見つかります。今年の秋の一日を、どこで使うか決める材料になれば。
公式情報の確認先
- 第71回 香嵐渓もみじまつり(足助観光協会): https://asuke.info/event/nov/entry-3035.html
- アクセス・渋滞情報(足助観光協会): https://asuke.info/access/
- 香嵐渓の駐車場・混雑状況(三州足助公社): https://www.sansyuasuke.com/
- 小原四季桜まつり(ツーリズムとよた): https://www.tourismtoyota.jp/spots/detail/2266/
- 王滝渓谷(ツーリズムとよた): https://www.tourismtoyota.jp/spots/detail/19/
- 鞍ケ池公園(ツーリズムとよた): https://www.tourismtoyota.jp/spots/detail/37/
- 稲武もみじまつり・大井平公園(ツーリズムとよた): https://www.tourismtoyota.jp/spots/detail/2279/
- 稲武もみじまつり2026(いなぶ観光協会): https://www.inabu-kankou.com/info/3285
- ふじおか紅葉まつり2026(藤岡観光協会): https://fujioka-kanko.jp/news/momiji-festival/
- 香嵐渓の由来・寛永11年の記載(足助観光協会): https://asuke.info/korankei/
- 茶室・日本庭園(愛・地球博記念公園): https://www.aichi-koen.com/moricoro/shisetsu/japanesegarden/
- 色金山歴史公園(長久手市): https://www.city.nagakute.lg.jp/kanko_bunka_sports/5/5/6183.html
- 秋季企画展「森兄弟」(長久手古戦場記念館): https://kosenjo-kinenkan.com/events/684/
- 五色園(日進市): https://www.city.nisshin.lg.jp/department/toshisangyo/kanko/6/2/2_1/3118.html
- 三好丘緑地(みよし市): https://www.city.aichi-miyoshi.lg.jp/soshiki/toshikensetsu/kouen/5/kobetu/2400.html
- 愛知池(東郷町): https://www.town.aichi-togo.lg.jp/soshikikarasagasu/johokohoka/gyomuannai/6/3755.html
