名古屋から東へ車で20分、似ているようで違う2つの街――それが日進と長久手です。「子育てするならどっち?」引越しを考える人から、いちばんよく聞かれる質問。住みここち6年連続1位の長久手は、リニモと大学と公園で構成された新しい街。一方の日進は、同じ大東建託の調査で街の幸福度1位(3年連続)と、別の指標で高い評価を受ける街。地下鉄鶴舞線が通り、岩崎の里山と赤池の利便性が共存する「ちょうどいい郊外」です。公式統計と公開情報を突き合わせ、子育て世帯目線で5つの軸から比較します。
細かい話の前に結論。「自然・落ち着き・コスパ重視なら日進、買い物・教育・新しさ重視なら長久手」。これはどちらが上というより、欲しいものが違うだけ、という整理が近いです。
| 比較軸 | 日進市 | 長久手市 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 保育園の入りやすさ | ◎ | ○ | 日進は整備が早く待機児童を抑制。長久手は人気園に集中 |
| 教育環境(小〜高) | ○ | ◎ | 長久手は愛知県立大・愛知淑徳大の地元、教育熱心な層が厚い |
| 通勤・交通の利便 | ○ | ◎ | 長久手はリニモ、日進は鶴舞線(赤池駅) |
| 買い物(大型) | ○ | ○ | 日進プライムツリー赤池/長久手イオンモール+IKEA、ほぼ互角 |
| 家賃・住宅コスト | ◎ | △ | 同じ広さで月1〜2万円ほど日進の方が安い傾向 |
| 自然・公園 | ◎ | ◎ | 日進は170カ所超の公園、長久手はモリコロパークが圧倒的 |
| 街の新しさ・若さ | ○ | ◎ | 長久手は平均年齢40歳前後、子育て世帯の流入が多い |
| 子育て支援・補助 | ○ | ◎ | 制度の枠は近いが、長久手は若年世帯向け施策が手厚い |
※5市バランスで採点した相対評価。ご家庭の優先度で見方が変わります。
1. 教育・保育環境
保育園・認定こども園の入りやすさ
共働き世帯にとっては最重要項目。日進市は近年、保育園・こども園の整備が進み、待機児童をほぼゼロに抑え込んでいます。一方の長久手市は、若い子育て世帯の流入が続いていることもあり、特定の人気園に申込が集中する傾向があります。
長久手の場合、第1希望に入れるかは「家からの距離」「兄弟児加点」「就労時間」のスコアでかなり左右されるので、希望園が偏る早生まれ・転入直後は要注意。詳しい入園戦略は 「長久手の保育園・認定こども園、第1希望に入る5つの戦略」 で整理しています。
小・中・高の選択肢
小学校は両市とも校区がきっちり決まっており、家を選んだ時点で進学先が確定します。長久手市は愛知県立大学・愛知淑徳大学のお膝元で、大学の研究者世帯や教職員世帯が住んでいるため、教育熱が高い空気がややあります。
日進市は愛知学院大学・名古屋商科大学・名古屋外国語大学が市内・隣接にあり、大学アクセスはむしろ日進の方が良い面もあります。中学受験率は両市ともそこまで突出していませんが、東山線・鶴舞線で名古屋市内の私立に通う生徒は一定数います。
2. 子育て支援・補助金
医療費助成(共通項目)
児童手当や乳幼児医療費助成など、国の制度部分はどちらも同じです。差が出るのは市独自の上乗せ施策。両市とも比較的手厚い方ですが、長久手市は若い世帯の流入を意識した施策(出産祝品、移住支援など)が多い印象です。
日進市の医療費助成については 「日進市の子ども医療費助成、使い方ガイド」 で整理しているので、引っ越し前後の方は併読を。
支援センター・児童館
日進市は市内に複数の子育て支援センターがあり、未就園児の親子が無料で過ごせる場所が分散しています。詳しくは 「日進市の子育て支援センターを、孤独子育てのバランサーに」。長久手市も支援センターは充実しており、若いママ層の交流の場として機能しています。
3. 住環境・生活インフラ

交通:長久手の圧勝、ただし日進にも強みあり
長久手はリニモ(東部丘陵線)が街の背骨を通っていて、藤が丘・八草方面へストレートに繋がります。藤が丘で東山線に乗り換えれば、栄・名古屋駅まで20〜30分台(参考:Yahoo!路線情報 で出発駅から検索可)。
日進は名古屋市営地下鉄鶴舞線の赤池駅が市の最寄り。鶴舞線は名古屋駅を通らないので伏見駅で東山線に乗り換えが必要ですが、伏見まで約27分、栄まで30分前後、名古屋駅まで32〜35分前後です。鶴舞線は始発駅(赤池)から座って通勤できるのは隠れた強み。車社会という共通点はあり、駅から離れた家は両市とも車前提です。
買い物:両市とも大型モールあり、ほぼ互角
長久手にはイオンモール長久手+IKEA長久手、日進には赤池駅直結のプライムツリー赤池。どちらも子連れで1日過ごせる規模です。日常スーパーは長久手にアピタ長久手店・ヤマナカ等、日進にバロー日進岩崎店等が点在しており、買い物難民にはなりません。
雨の日の屋内スポットを比較するなら 雨の日の屋内スポット30選|日進・みよし・東郷・長久手・豊田 もどうぞ。
病院・小児科
小児科クリニックの数はほぼ同等ですが、日進は中規模総合病院(メイトウホスピタル等)が市内・近郊にあり、夜間救急の選択肢が比較的取りやすい印象です。長久手は名古屋市名東区のクリニック群を生活圏として組み込めるので、トータルでは大差ない、というのが実感です。
4. 家賃・住宅コスト
ここは明確に日進が安い。同じ広さの3LDK賃貸でも、日進と長久手では月1〜2万円の差が出ることも珍しくありません。家賃相場の最新情報は SUUMO日進市 / SUUMO長久手市 で実際の物件を比較できます。
持ち家を建てるなら、長久手は土地価格が継続的に上昇しており、新築戸建ての建売は5,000万円台が多く、6,000万円超もざら。日進はエリアにもよりますが、4,000万円台後半〜5,000万円台前半が中心。
マンションは長久手の方が新規供給が多く、駅徒歩圏の選択肢も増えています。日進は赤池・米野木・日進駅周辺に新築マンションが点在しますが、戸建て比率の高い街です(参考:LIFULL HOME’S や SUUMO で各エリアの売出物件を確認できます)。
5. 街の空気感

長久手は「新しい街」感が強い。リニモ、ジブリパーク、IKEA、人口流入。良くも悪くもアップデートが速く、街全体が若い。平均年齢は40歳前後で、愛知県内でも有数の若さです。
日進は「ちょうど良い田舎」感がある。米野木・香久山あたりは住宅街と田畑が混在し、坂道と緑が多い。新しい施設も入ってくるけれど、長久手ほど街全体が変化していくスピード感はありません。落ち着きと飽きやすさの両面があります。
「どちらが好み」かは性格と人生フェーズで分かれます。子どもが小さく親も30代前半なら長久手の活気が刺激、子どもが小学生以降で生活を腰据えたいなら日進の落ち着き、というのが個人的な傾向値です。
6. 自然・公園・遊び場

両市とも公園は豊富ですが、性質が違います。
日進市は市内に170カ所超の公園が点在し、徒歩圏の「ふだん使い」の公園が充実しています。代表的なのは 株山中央公園、岩崎城址公園、野方三ツ池公園、弁天池公園など。「家から徒歩10分以内に必ず公園がある」のが日進の強み。
長久手は愛・地球博記念公園(モリコロパーク)が圧倒的で、半日〜1日かけて遊ぶ大型公園として愛知県下でも屈指。市民にとっては「実質、市民公園」のような存在。古戦場公園や香流川緑地もあり、量より質で勝負する街です。
7. グルメ・カフェ・暮らしの楽しみ

カフェ密度は長久手の方がやや高い。新しいモール・通り沿いに次々とカフェが出店し、若い経営者の店が多い印象。ジブリパーク帰りに寄れる店も増えました。
日進は数こそ多くないものの、長く続く個人店・隠れ家系が多い。米野木の 森の響 のような、20年単位で街に根付く店があるのが日進の良さです。
飲食ジャンルの多様性は大型モール(プライムツリー / イオンモール)でカバーすればほぼ互角ですが、「散歩がてら寄れる個性派の店」を探すなら日進の方が掘り出し物に出会えます。
どっちが向いている?フローチャート
・子どもが2人以上、または将来複数人を考えている
・週末は近所の公園を毎週違うとこ巡りたい
・落ち着いた住宅街で長く暮らしたい
・赤池駅から座って通勤したい
・新築マンション・建売の選択肢を多く持ちたい
・モリコロパーク・ジブリパークが暮らしの徒歩圏にあると嬉しい
・若いファミリーが多い街の活気が好き
・買い物・カフェのトレンド感が大事
結論
結局、「住む自分が大事にしたいこと」次第です。両市は「名古屋東部のちょうどあいだ」という共通点を持ちながら、街の性格は意外と対照的。
「失敗しにくい街」を選ぶというより、「自分の生活リズムに合う街」を選ぶ感覚で十分です。
日進と長久手だけでなく、みよし・東郷・豊田も含めた5市比較は、今後もテーマ別に整理していきます。
※情報は変更されることがあります。最新は各市町公式サイトでご確認ください。
最後に
日進と長久手、似ているけれど違う2つの街。子育て世帯にとっての「どっち」は、結局のところ家族の優先順位次第です。
気になる街があれば、平日と休日、両方の時間帯に一度歩いてみてください。地図とランキングでは見えない街の温度が、肌で分かります。
公式情報の確認先
制度・金額・対象・受付期間は年度ごとに変わることがあります。申請前には、必ず各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。
